Buffalo・Synology・QNAP・TerraMaster・I-O DATA・NETGEAR様々なメーカーがありますが、スマホのように好みが分かれるものと違い、NASの選択肢は一個です。
- メリット1:Google cloudより安い
- メリット2:Google等の利用規約に引っかからない
- おすすめのベイ数は?
- Buffalo vs Synology vs QNAP vs TerraMaster vs NETGEAR vs I-ODATA
- 用途別お勧め商品
NASとはパーソナルクラウドとも呼ばれ、Google drive、icloudのように、外出先から家の中のハードディスクへ、簡単にアクセスできます。買う理由として、主に以下のものが挙げられます。
メリット1:Google cloudより安い
Google Driveの値段は以下の通りです。
- 200GB…年3,800円
- 2TB…月1,300円
- 10TB…月13,000円
- 20TB…月24,000円
高い!私が所有しているMac MiniのSSDは128GBなので、それを超えるデータは他の媒体で保存する必要がありますが、月1,300円をずっと払い続けると、途方もない金額になります。
ところが、
- 2ベイ(HDDが2枚入る)のNAS(Synology DS218playで32,690円
- 2TBのHDD(2020年4月24日だと約7000円)×2枚=14,000円
であれば合計46,690円。3,5年で元が取れます。大は小を兼ねるで、私は思い切って4TB買いましたので、回収にかかる時間はもっと少ないです。もちろん、製品保証も2年付いているので、それまでに壊れた場合は交換できます。
NASを使用する場合、一般的にはHDDを2枚買い、RAID1(ミラーリング)という「同じデータを2枚に重複して保存する設定」をします。そうすると、片方のHDDが壊れても、もう片方のHDDに全く同じデータが保存されているので、復元が簡単に可能です。
RAIDとは?よく使用されるモードごとの特徴を徹底解説
メリット2:Google等の利用規約に引っかからない
以前、こんな記事が話題になりました。
そう、Googleの利用規約に反するデータは勝手に消されてしまうのです。銀行も犯罪者の口座は凍結する場合もありますから、法律国家のサービスとしては当然かもしれません。icloud等の他のサービスも同じです。
また、性的搾取、児童以外にも、様々なものが「不正行為に関するプログラム ポリシー」に挙げられています。
スパム、不正なソフトウェア、フィッシング、暴力、ヘイトスピーチ、テロ関連のコンテンツ、嫌がらせ、いじめ、脅迫、露骨な性表現を含むコンテンツ、児童の搾取、なりすましと不実表示、誤解を招くコンテンツ、個人情報と機密情報、違法行為、一般公開のストリーミング、著作権侵害、コンテンツの使用と送信
プログラムポリシーに挙げられているだけで、該当する全ての画像・動画が消されるわけではありませんが、自動プログラムで何が消されるか分かりません。今後AIが発達し、検知が厳密になったら尚更です。
しかしNASの場合、管理しているのはあくまで自分や会社です。警察からNASの会社に令状でも出ない限り、HDDの中身を見られたり、勝手に消されたりすることはありません。
おすすめのベイ数は?
それでは本題に入ります。まずベイ数は、個人利用であれば2つで問題ありません。Amazon等でもNASと検索すると2ベイが一番多く出てきます。(AmazonのNAS一覧)
端的に、どういうRAIDを組みたいかで選べばいいと思いますが、基本
- RAID1(2つのHDDに同じデータを書き込む)
- RAID0(2つのHDDに違うデータを書き込む)
のどちらかになると思います。個人的には、RAID1をすると同時に、オフラインで普通のHDDを用意して、定期的にバックアップを取る形がベストだと考えています。
RAIDとは?|データ復旧 国内売上No.1【データ復旧.com】
Buffalo vs Synology vs QNAP vs TerraMaster vs NETGEAR vs I-ODATA
ここからメーカーの比較に入ります。有名なメーカーはこの6つです。
ハードウェア比較
Synology・QNAP・TerraMaster
メーカー | Synology | QNAP | Terra Master |
---|---|---|---|
機種名 | DS218play | TS-231P | F2-221 |
CPU 周波数 |
4コア 1.4 GHz |
2コア 1.7GHz |
2コア 2.0GHz |
最大 解像度 |
4K | - | 4K |
最大 FPS |
60 | - | 30 |
メモリ | 1 GB | 1GB | 2GB |
ドライブベイ | 2 | 2 | 2 |
USB3.0 ポート |
2 | 3 | 2 |
ノイズ | 19.9 dB(A) | 19.2 db(A) | 18.6dB(A) |
書き込み速度 | 112 MB/s | 176MB/s | 212 MB/s |
読み込み速度 | 112 MB/s | 224MB/s | 215 MB/s |
保証 | 2年 | 2年 | 2年 |
値段 | ¥28,900 | ¥27,480 | ¥29,990 |
Buffalo・I-O DATA・NETGEAR
メーカー | Buffalo | I-O DATA | NETGEAR |
---|---|---|---|
機種 |
HDL2-AA4 | ReadyNAS 212 | |
CPU 周波数 |
- | - | 1.4GHz |
最大 解像度 |
- | - | - |
最大 FPS |
- | - | - |
メモリ | - | - | 2GB |
ドライブベイ | 2(自社 HDD内蔵) |
2(WD製 HDD内蔵) |
2 |
USB3.0 ポート |
1 | 1 | 3 |
ノイズ | - | - | - |
書き込み速度 | - | 78.43/s | - |
読み込み速度 | - | 116MB/s | - |
保証 | 1年 | 3年(HDDのみ1年) | 3年 |
値段 | ¥27,318 | ¥30,848 | ¥32,992 |
※CPUは、SynologyがRealtek RTD1296、QNAPがAnnapurnaLabs, an Amazon company Alpine AL-212、TerraMasterが Intel® Celeron® J3355、NETGEARがIntel Atom C3338です。BuffaloとI-O DATAは未記載
Synology、QNAP、TerraMaster、NETGEARのNASが、HDDの無い、ケースのみで約3万円のところ、バッファロー、アイオーデータのみ、自社のHDD(4TB×2ベイ の機種で比較)を元々内蔵していますが、破格の安さなので、安く揃えたいと言う方にはオススメです。
Synology、QNAP、TerraMasterは、CPUも書込・読込速度も大差なく、家のネット回線の方がボトルネックになる場合の方が多そうです。
私の場合、表にある基本機能では、4K画質を希望しているため、選択肢はSynologyかTerraMasterになります。
ソフトウェア比較
端的に、基本機能はほとんど変わりません。全て家の外から簡単にアクセスできますし、動画・画像・音楽も専用のアプリがあるだけでなく、Google Drive、Dropbox、 OneDrive、Box、Yandex Disk及びAmazon Driveなど、様々なクラウドサービスとの互換性もあります。
機種名 | DS218play | TS-231P | F2-221 |
---|---|---|---|
GUI | ○ | ○ | ○ |
クラウドバックアップ | ○ | ○ | ○ |
簡単アクセス サービス名 |
quick connect |
myQNAP cloud |
TNAS. online |
動画管理 | ○ | ○ | ○ |
写真管理 | ○ | ○ | |
音楽管理 | ○ | ○ |
具体的な画面も以下の通り似ています。PCやスマホのように、好きなアプリを入れられます。
Synology
セキュリティ
ではメーカーを選ぶにあたってどういった点が最も重要か、それはセキュリティです。NASはネットワークに接続される以上、外部からの攻撃リスクがあります。
具体的にどこがセキュリティに弱いかということは一般人には分からず、製品説明にも書かれていないので、調査機関のデータを調べます。すると面白い記事が見つかりました。
「SOHOpelessly Broken 2.0 - Independent Security Evaluators」において、市場に出回っているルータやNASを調査したところ、13個のデバイスにリモートアクセスを許可するような125個の脆弱性が見つかったと報告した。ベンダーはプロダクトのセキュリティに対する関心の高さをうたっているが、十分なセキュリティ機能は実現されていないと指摘されている。
https://news.mynavi.jp/article/20190920-896752/
https://www.ise.io/casestudies/sohopelessly-broken-2-0/
お分かりでしょうか。Synologyが一個もありません。セキュリティに関してはSynologyが最も信頼できると言うことになります。
脆弱性が無いのにリストに上がっている理由は、SOHOpelessly Broken 2.0 と書かれている通り、今回が1.0に次ぐ2回目の調査で、前回脆弱性があったためです。
また、SynologyとQNAPはそれぞれ日本法人があります。こういった点からも、万が一問題があった場合に、責任を追求しやすい立場にあります。
Synology® は、日本法人設立を発表 | Synology Inc.
QNAPが日本法人設立、個人・法人向けNAS製品の国内展開強化へ -INTERNET Watch Watch
加えて、日本語で解説されているサイトも多いですが、公式サイトに日本語のマニュアルが載っているのはSynologyのみです。
機種名 | DS218play | TS-231P | F2-221 |
---|---|---|---|
説明書URL | リンク | リンク | リンク |
用途別お勧め商品
以上の理由から、私はSynologyをお勧めします。そのSynologyの中で選ぶべきNASについては、以下のリンクを参考にしていただければと思います。
NASを買う前に、今使っている外付けHDDが壊れてしまっては元も子もありません。もし、どのNASにするか迷う場合は、何でも良いので、一旦もう一個外付けHDDを買うか、クラウドにバックアップしましょう。
NAS用HDDの記事も書きました!