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【110Vの電化製品も危険】海外製の電化製品を日本で使う場合に必要なもの

(2022年6月12日更新)

海外旅行に日本の電化製品を持って行く時はもちろん気をつけると思いますが、日本で海外のメーカーの電化製品を使う場合も注意が必要で、「電化製品の許容電圧範囲は±10%だから大丈夫」なんて、簡単に考えるのは危険です。

例えば、プラグに以下のような文字が書いてあったとします。

  • 50 / 60Hz
  • 110 - 230V
  • 130W

日本の電圧は100Vなので範囲外のようですが、果たして使えるのでしょうか。230V以上は危険そうだけど、110V以下なら大丈夫?大事な問題ですから、しっかり調べていきましょう!

世界の電気事情

周波数はどの国も50Hzか60Hzで、電圧は日本の100Vからスウェーデンの400Vまで様々です。ちなみに単相・三相は以下のように形状が異なります。

www.orientalmotor.co.jp

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レンタル機器をご使用いただく上での注意点

 

Hz(ヘルツ)について

まずHzとはなんでしょうか。工業系ECサイト最大手のモノタロウのウェブサイトに説明があったので引用します。

周波数とは、1秒間に流れる電気が変化する回数のことです。コンセントから得られる電気は、波のように大きくなったり小さくなったりを繰り返します。その1秒間における波の数(大小でワンセット)が電源周波数です。周波数は「Hz(ヘルツ)」という単位で表されます。

〜略〜

現在日本には地域によって異なる「50Hz」と「60Hz」という2種類の周波数が存在しています。おおまかに、東日本が50Hz、西日本が60Hzです。静岡県富士川新潟県糸魚川あたりが境目となっており、一部には混在している地区もあります。
周波数の50Hzと60Hzの違い 【通販モノタロウ】

 

同じ日本でも、東日本と西日本で違うというのは面白いですね。しかし、続いて以下のように説明されています。

ここで注目するべきは電化製品です。50Hzもしくは60Hzを基準として作られている電化製品を異なる周波数の状況下で使用するとモーターの回転数が変わって性能が低下したり、過剰に働いて火災の原因となったりします。場合によっては電化製品が痛み、故障を早めてしまう可能性もあるでしょう。 オフィスの移転などで周波数の違う地域に引っ越す際には、今持っている電化製品がどの周波数で作動するのかを確認することが大切です。

とは言え、近年では50Hz・60Hzのどちらでも使用できる電化製品も増えてきました。エアコンやパソコンといった機器は、もともと周波数に関係なく使用できるほか、モーターの周波数を適切に変えて回転数を調整する「インバーター」が内蔵されている、ヘルツフリーの製品も多く登場してきています。 近年の製品であれば、動作不良を起こす心配はほとんどないでしょう。「50 / 60Hz」と表示されていれば、どちらの周波数でも使用可能です。
周波数の50Hzと60Hzの違い 【通販モノタロウ】

 

今回の例を含め、新しい電化製品では「50 / 60Hz」と書かれている場合がほとんどで、その場合は西日本・東日本どちらでも使えます。

V(ボルト)とW(ワット)について

次に、V(ボルト)について説明します。そもそも電気とは

  • 電流:アンペア(A)
    電気の流れの大きさ
  • 電圧:ボルト(V)
    電流を流す力の大きさ
  • 電力:ワット(W)
    電気がする仕事の大きさ

で示され「電流(A) × 電圧(V) = 電力(W)」となります。

一般的なブレーカーだと20Aなので、20A × 100V=合計2,000Wになるまで電化製品を動かせます。以下のように、電化製品によってワット数が異なり、合計が2,000Wを超えるとブレーカーが落ちます。

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電気の基礎知識 - 家電情報ポケット - Panasonic

 

今回の例は130Wなので問題なさそうですね。かなり省エネな製品です。

しかし、電圧はこの範囲の下限を下回っています。よく「電化製品の許容電圧範囲は±10%だから大丈夫」という記述が見られますが、それはブレがあっても良いだけであり、ずっと電圧が10%違う電流を許容するものではありません。各種電子機器メーカーのウェブサイトにも同様の記載があります。

Q. 【FAQ0128】電源電圧がモータ定格電圧の±10%であれば使用できますか。

A.ご使用になれません。必ず銘板に記載しております電圧/周波数にてご使用ください。運転中の許容電圧変動範囲は定格電圧の±10%です。こちらは連続的に入力可能な電圧ではなく、あくまで瞬時の変動であれば運転に問題のない電圧範囲です。
【FAQ0128】電源電圧がモータ定格電圧の±10%であれば使用できますか。 | 株式会社 ニッセイ

定格電圧の許容範囲でご使用ください。許容範囲を超えて使用すると、安定器やランプの寿命を早めたり、点灯しない場合があります。
照明器具の適正使用について

 

なので、安全に・長く使うためには、必ず指定された範囲内に収まるように変圧する必要があります。変圧しないで使って壊れた場合、原因が他にあったとしても保証を受けられない可能性があります。

もちろん、電球やスピーカーなどの簡単な作りの製品であれば影響は少ないですが、精密であればあるほど、電圧などの使用条件は厳しくなっていきます。

 

変圧するためには、海外旅行でおなじみの変圧器が必要です。変圧器は

  • アップトランス…電圧を上げる
  • ダウントランス…電圧を下げる
  • アップダウントランス…上げる&下げる

という3つに分類され、上記の例の場合「アップトランス」の機能を持った変圧器が必要です。ダウンの方がアップより簡単なので、海外で日本の電化製品を使うのに必要なダウントランスの方が安くて小さいです。

アメリカ・カナダ・ハワイ・グアム・台湾・アラスカ旅行用ダウントランス

 

今回の例は110 - 230Vなので、アップトランスかアップダウントランスのどちらかが必要です。

変圧器を製造している日本で主要なメーカーは以下の2社です。

カシムラ

商品名 WT - 92J
(アップ)
WT - 3UJ
(アップダウン)
入力電圧(V) AC100 AC100(AC110 ~ 130)
出力電圧(V) AC220 ~ 240 AC110 ~ 130(AC100)
容量 110W 300W
重さ 1.31kg 1.28kg
価格※ 販売なし 4,800円

※…2022年6月12日時点のAmazonでの価格です。

 

日章工業

商品名 NDF-550UPU
(アップ)
SK-550U
(アップダウン)
入力電圧(V) AC100 AC100(AC110 ~ 130)
出力電圧(V) AC110 ~ 130 AC110 ~ 130(AC100)
容量 550W 550W
重さ 1.7kg 1.7kg
価格※ 6,999円 10,230円

※…2022年6月12日時点のAmazonでの価格です。

 

どの国の電圧も、110 ~ 130Vの間か、220 ~ 240Vの間になっているため、変圧器も上記のように2種類に分かれますが、近年発売されている電化製品は、同じ製品を世界中で売れるように、ほとんどが100 ~ 240Vに、少しマイナーな製品が110 ~ 240Vに対応しているので、2種類の内のどちらかの変圧器を持っていれば大丈夫です。

私もカシムラのアップダウントランスを使っています。(ほこりを防ぐために、見栄えは悪いですがビニールで覆っています。)

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カシムラ、日章工業のどちらでも問題は無いのですが、ワット数の上限が違う点に注意してください。特に、使用時間や熱を発生する製品かどうかでも要件が変わります。

AC100V(日本国内)で300WまでのAC110 ~ 130V仕様の電化製品が使えます。

*連続使用(30分以上)の場合は定格容量の80%を超えないでお使いください。
*熱を発生する製品(アイロンなど)やモーターの回転する製品(ドライヤーなど)は消費電力の3倍以上の定格容量が必要です。
変圧器/株式会社カシムラ

 

今回の例だと、熱を発する機械だった場合、130W × 3倍=390W必要という点に注意します。表の中で言えば、550Wまで対応しているNDF-550UPUSK-550Uが必要です。しかしこれら日章工業の商品の重さは1.7kgと、300Wまで対応しているWT-3UJの1.5倍近くありますので、手軽に使いたい場合はWT-3UJの方がおすすめです。

熱を発する電化製品や複数の電化製品を使う可能性がある場合は、価格も上がりますが1,100Wまで使えるSK-1100Uもおすすめします。

Amazonではアップトランスと検索すると最初に下記の商品が出てきますが、サクラチェッカーだとかなり危険視されています。

sakura-checker.jp

 

大事なものなので、検索したらちゃんと企業のウェブサイトが出てきて、サクラチェッカーでも引っ掛からない、安心できるメーカーのものを使いましょう。

以上、参考になれば幸いです。

おすすめの変圧器(アップダウントランス)

入力出力電圧 AC110 ~ 130V / AC100V

300W(手軽に使いたい場合)

 

500W(オールラウンド)

 

1,100W(多くの海外製電化製品を使う可能性がある場合)

 

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