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【自作】料理酒から70%アルコールを、家庭で精製する装置を200円で作りました!

医療用アルコールが手に入らない場合などの、やむをえない事態に参考にしてください!

違法性について

大事な話ですが、すぐに精製方法を知りたい方は、目次の「アルコールを自宅で精製する方法」をクリックしてください。

まず、お酒を自分で作る場合は、アルコール度数1%を超えるものから違法になります。

酒税法において酒類とは、アルコール分1度以上の飲料(飲用に供し得る程度まで水等を混和してそのアルコール分を薄めて1度以上の飲料とすることができるものや水等で溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含みます。)をいいます。
【総則】|国税庁

 

ただ、自分で飲むために梅酒などを作る場合は例外となります。

Q1 消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか。

A 焼酎等に梅等を漬けて梅酒等を作る行為は、酒類と他の物品を混和し、その混和後のものが酒類であるため、新たに酒類を製造したものとみなされますが、消費者が自分で飲むために酒類(アルコール分20度以上のもので、かつ、酒税が課税済みのものに限ります。)に次の物品以外のものを混和する場合には、例外的に製造行為としないこととしています。
〜略〜
【自家醸造】|国税庁

 

違法性について、実際に税務署に確認された方のコラムが神戸新聞に掲載されていましたので、国税庁経済産業省などの説明に加え、下記の記事を参考にしました。
消毒用アルコールが無いなら赤ワインから合法的に作ってみる。

記事の中では理科の実験器具を使っていますが、実際にこれらを用意して蒸留するのは現実的ではありません。

アルコールを自宅で精製する方法

そこで、非常に安い蒸留方法を共有します。以下のものが必要です。

  • 鍋(蓋が透明のもの)
  • ステンレス製排水溝ネット(ダイソー
  • ステンレス製計量カップダイソー
  • お酒(今回はダイソーの料理酒)
  • 皮膚に付けて良いが、飲めないもの(詳しくは後述)

ネットとカップは以下のようなものです。

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鍋の中に、ネットをひっくり返して台にして、そこに計量カップを置きます。

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容器ではなく、鍋に料理酒を入れます。ここから蒸留作業に入りますが、このままだと違法です。そこで、

お酒の蒸留をする場合でも、先にイソプロパノールなど、飲料ではなくなるような物質を加えたら問題ない
消毒用アルコールが無いなら赤ワインから合法的に作ってみる。

 

上記の税務署の回答を踏まえ、私の場合は化粧水(もちろん食用ではないと明記されています)を入れ、酒フレーバー化粧水に変化させました。これなら、肌には良いですが飲めないです。

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蓋を逆にして置いて、

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穴をダクトテープか何かで蓋をします。私は持っていないので、適当に綿棒を挿しました。

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氷を入れます。こうすることで、冷やされた蒸気が蓋で水滴になって、それが取手に集まり、カップに落ちます。

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必要なアルコール濃度について、厚生労働省の文書で以下のように記載されています。

アルコール(濃度70%以上95%以下のエタノール
新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)

 

慶應義塾大学の論文を参考にしたアルコール14度の赤ワインの蒸留実験では、2回蒸留すれば約70 ~ 80%の濃度になるとのことです。

1回の蒸留でできた約66度を85℃で加熱し蒸気にする、その後冷却でモル分率約0.5のエタノールが出来上がります。

〜略〜

2回の蒸留では90度を超える事がありません
消毒用アルコールが無いなら赤ワインから合法的に作ってみる。

 

料理酒も今回ダイソーで買いましたが、400mlで12 ~ 13度でしたので、アルコール濃度は上記より少し低くなると仮定します。

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濃度は12.5%とすると「料理酒400ml×度数0.125=50ml」のアルコールを含みます。物理的には、70%アルコール入り化粧水を50ml÷0.7=約71ml精製可能、つまり1ml=0.71円!今ネットで普通の消毒液を買うと、送料抜きで1ml=1 ~ 30円しますので、破格の安さです。

 

50mlまで蒸留したのが以下の状態です。

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しかし、このままでは本当に消毒に十分なアルコール濃度かが分かりません。そこで、アルコールに火が付く時の温度、引火点を利用しました。

引火点を利用したアルコール濃度の測定

引火点とは、火を付けた時に燃焼する温度です。よく揚げ物で火事が起こった時に話題になります。

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冬は火災が増加する季節 "物が燃える3要素"から考える火事対策(2018年12月15日)|BIGLOBEニュース


アルコールの温度別引火点は以下の通りです。

wt % 引火点
10% 49°C
20% 36°C
30% 29°C
40% 26°C
50% 24°C
60% 22°C
70% 21°C
80% 20°C
90% 17°C
96% 17°C

エタノール - Wikipedia

 

つまり、この液体を21度に冷ました時に引火すれば、アルコール濃度は70%以上あるということです。同様に、引火点を利用することで、実際には70%以下の詐欺アルコール消毒液の度数も調べることができます。

 

冷ました液体がこちらです。

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火をあてると、2秒くらいしてから無事付きました。少し青く光っているのが分かるでしょうか。

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写真を撮って少し経ってから消したら33度だったので、26度あたりで火が着いたとして、度数は約50%です。なので、実用できるレベルまで濃度を上げるには液体を再蒸留する必要があります。

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効率を上げるのであれば、度数の高いお酒を使う必要があります。お酒の度数は以下の通りです。

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DRINK SMART お酒の正しい付き合い方を考えよう|サントリー

 

以上で検証は終了です。アルコールが普及し始めたというニュースも最近聞きますが、上記に述べた通り高価なので、自分や家族の命を守るため、また、何か仕事や趣味で必要だって方がいれば、参考にしていただければと思います。