時短家電として知られている食器洗い乾燥機(食洗機)ですが、飛ばした汚れは細菌の温床になっています。
細菌・カビとは
似た微生物としてカビが挙げられますが、そもそも細菌・カビとは何なのでしょうか。衛生微生物研究センターではその概要について以下のように説明されています。(右にスクロールできます。)
カビ | 細菌 | |
---|---|---|
光学顕微鏡像 | ||
誕生 | 約10~20億年前 | 約40億年前 |
基本構造 | 多細胞生物 | 単細胞生物 |
種類 | アオカビ、コウジカビなど | 大腸菌、サルモネラ菌など |
大きさ | 2~10マイクロメートル | 0.5~5マイクロメートル |
カビと細菌、何が違う? – 株式会社 衛生微生物研究センター
起源から違う、全く別の生物であることが分かります。
細菌・カビの生育条件
細菌・カビは以下の環境で育ち、また、死滅します。ちなみにカビとは真菌の一つで、糸状菌とも呼ばれます。
生育条件 | 真菌 | 細菌 |
---|---|---|
酸素 | 主として好気性 | 嫌気性も多い |
生育速度 | おそい | はやい |
温度 | 低い | 高い |
・最適生育温度 | 20~25℃ | 30~37℃ |
・死滅温度 | 低い(約60℃) | 高い |
水分活性 | Aw0.65以上 | Aw0.90以上 |
湿度 | 低湿・乾燥に強い | 高湿 |
酸度 | 酸性に強い | 中性・アルカリ性 |
薬剤 | 強い | 弱い |
紫外線 | 強い | 弱い |
細菌・カビを滅菌するためには
もちろん、カビや細菌が死滅する要因は温度だけでなく、pH、水分活性、化学物質や金属イオンの存在などが挙げられるため、必ずしもこの温度にならないと死滅しないわけではありません。実際、論文の中には、ふきんの洗浄・消毒方法として、除菌効果のある台所用洗剤10mlを手で揉み込んだ後、80℃の熱水100ml で3回すすぐことを推奨しているものがありました。(台ふきんと食器用ふきんの微生物汚染状況)
我々人類はカビや細菌と共存していて、滅菌環境ではなくても健康的に生きることが可能ですが、食洗器を使う場合には最低限このライン、つまり80℃の熱水ですすぐ機能のある食洗器を選ばなければならないと考えます。
ただでさえ食洗器内には、細菌が増殖するのに十分な水分と食べかすなどの豊富な栄養源があるにも関わらず、80℃以下、ましてや低温で食器に優しいモードなどで洗い続ければ、高い確率で健康に悪影響が出るでしょう。
ちなみに食器乾燥機のような乾熱環境では、熱湯に比べて100℃のサウナが熱くないように熱伝導率が低く、殺菌には160°C必要です。つまり、普通の食洗器にかけた後で食器乾燥機にかければ良いということではありません。
その他の機能
詳細は以下の記事で書いていますが、実験の結果プラズマクラスター・ナノイーに殺菌効果が無かったことが論文に書かれていますから、これらの機能が付いたパナソニックとシャープの商品は比較対象から省きます。
おすすめの食洗器
以上を踏まえ、
- 80℃以上の熱水ですすぐ機能付き
- プラズマクラスター、ナノイー非搭載
の食洗器をおすすめします。私が調べた限り、該当するのは以下の商品のみでした。
パナソニック NP-TH4(分岐水栓)
食器洗い乾燥機 NP-TH4 | 商品一覧 | 食器洗い乾燥機(食洗機) | Panasonic
食器だけではなく、大皿やフライパンも一度に洗えます。まな板(縦23 cm以下×横43 cm以下×厚み1.5 cm以下)も、鍋(高さ10 cm以下)も入ります。
[レギュラータイプ]収納力 | 商品一覧 | 食器洗い乾燥機(食洗機) | Panasonic
その他スペック(抜粋)
ドアタイプ | 前開きドア |
---|---|
標準使用水量 | 約11L |
運転時間 <50Hz/60Hz> |
約84分/約79分 |
最大消費電力 <50Hz/60Hz> |
1165W/1185W |
本体外形寸法 | 約幅550×奥行344(ドア開放時579)×高さ598mm |
製品質量 | 約19kg |
給水ホースの長さ | 約1.2m |
排水ホースの長さ | 約1m |
食器洗い乾燥機 NP-TH4 詳細(スペック) | 食器洗い乾燥機/食器洗い機 | Panasonic
食器洗い乾燥機 NP-TH4 | 商品一覧 | 食器洗い乾燥機(食洗機) | Panasonic
以上、参考になれば幸いです。
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